【管理が簡単な水草のみ紹介】低光量・CO2添加不要で育つ陰性水草の世界

- 水草を育てるには照明が必要だと聞いてめんどくさくなった
- CO2添加までやるのはちょっと…
- 簡単に育てられる水草だけを知りたい
本格的なレイアウトを求めず、育てやすい水草のみでアクアリウムをはじめたいと思っていませんか?水草には照明や肥料、CO2添加など、ややこしい設備や手順を要する場合があります。しかしアクアリウムは、迫力のあるレイアウトで彩るのがすべてではありません。この記事では、低光量で育つ・CO2添加不要の「陰性水草」を解説します。
記事を読むと、簡単に育てられる水草を知り、すぐに水槽レイアウトにとり入れられるようになります。おすすめの陰性水草は「アヌビアス・ナナ」と「ミクロソリウム」です。この2種類を使うと、水槽内に高低差が生まれ、レイアウトを考えなくても自然な見た目に整えられます。水草の設置も簡単です。記事内で詳しく解説します。
目次
陰性水草とは光量の少ない環境でも育つ丈夫な水草のこと

陰性水草は光量が少なくても育ちます。リビングの明かりだけで成長し、CO2添加も必要ありません。コケの繁殖を防ぐためにも、むしろ直射日光のあたる窓際から離したほうがよいくらいです。丈夫で育てやすいため、アクアリウム初心者でも安心の水草といえます。
アクアリウム初心者におすすめの陰性水草5選

アクアリウム初心者におすすめの陰性水草5選を紹介します。
アヌビアス

アヌビアスは丈夫さとレイアウトへの活用のしやすさがトップクラスの陰性水草です。アヌビアスには多彩な品種が存在しますが、いずれも育てやすいため好みで選べます。アヌビアスの特徴を以下にまとめます。
アヌビアス・ナナの特徴と管理ポイント
丈夫で成長がゆっくりなため、はじめて水草を育てる人でも扱いやすい定番種です。
見た目
濃い緑色の丸い葉が特徴です。茎と葉に厚みがあり、しっかりした質感があります。 大きさは約10cm、葉は3〜4cm程度。明るいライトグリーンの「ゴールデン」品種もあります。
育てやすさ
初心者にもっともおすすめしやすい、とても丈夫な水草です。 日陰でも育てやすく、CO2添加も基本的に不要。成長はゆっくりです。
管理の手間
成長が遅いため、頻繁なトリミングは必要ありません。 ただし葉にコケがつきやすいため、ヤマトヌマエビなどのコケ取り生体と相性がよいです。 株分けする場合は、葉5枚以上を目安に、葉・茎・根を残して分けます。
レイアウト
ソイルや礫でも育てられますが、流木や石に活着させると自然な雰囲気を作りやすくなります。 水槽の前景や中景に置くだけでも、見た目がまとまりやすい水草です。
アヌビアスは、はじめての水草にもっとも選びやすい種類です。かわいらしい丸く厚みのある葉は、石や流木に活着させて置くだけでも水槽の手前がきれいに整います。成長がゆっくりなので、頻繁に切りそろえる必要もありません。「水草を入れたいけれど、毎週の手入れは増やしたくない」という人に向いています。
ミクロソリウム

縦に長く、存在感のある陰性水草であるミクロソリウム。とても丈夫なので、初心者でも気軽に導入できます。高温に弱いものの、室内で育てるなら問題ありません。ミクロソリウムの特徴を以下にまとめます。
ミクロソリウムの特徴と管理ポイント
丈夫で落ち着いた印象を作りやすく、水槽の中景から後景に使いやすい定番の陰性水草です。
見た目
深緑色のシダ植物で、種類によって10〜30cmほどに成長します。 プテロプス、ナローリーフ、ウェンディロフなど葉の形が豊富で、水槽の雰囲気に合わせて選べます。
育てやすさ
初心者でも育てやすい丈夫な陰性水草です。 CO2添加や強いライト、肥料は基本的に不要。水温は22〜28℃が目安で、30℃以上が続く環境では傷むことがあります。
管理の手間
成長がゆっくりなので、頻繁なトリミングは必要ありません。 葉にコケがつきやすいため、ヤマトヌマエビなどのコケ取り生体と組み合わせると管理しやすくなります。 傷んだ葉やコケが目立つ葉だけを切れば十分です。
レイアウト
岩や流木に活着させる使い方が向いています。 背丈が出やすいため、水槽の中景から後景に配置するとバランスが取りやすく、自然な雰囲気を作れます。
成長が遅いため、トリミングは「コケがひどい葉」と「葉の裏に子株がついた葉」に対しておこないます。葉についている子株は、水に浮かべておくだけで成長するので簡単に増やせます。ミクロソリウムは、中景や後景に茂らせたり、ワンポイントで使ったりできる便利な陰性水草です。
ウィローモス

どこにでも活着し、自然な緑を与えてくれるウィローモス。エビとの相性が特に良いです。ウィローモスはエビの産卵場所や隠れ家、新芽はおやつとなります。ウィローモスの特徴を以下にまとめます。
ウィローモスの特徴と管理ポイント
細かな葉が自然な茂みを作り、稚魚やエビの隠れ家としても使いやすい定番の陰性水草です。
見た目
細かい葉が枝分かれする、やわらかい草姿が特徴です。 通常種は細長く茂みを作り、南米産ウィローモスは細かい逆三角形に広がります。 フレイムモスは炎のように上へ伸びる独特の形が魅力です。
育てやすさ
初心者でも始めやすい陰性植物です。 低光量でも育てやすく、CO2添加なしでも管理できます。 適温は20〜28℃ほどで、栄養が少ない環境でも育ちやすい丈夫さがあります。
管理の手間
成長はゆっくりですが、茂りすぎると下の部分に光や水流が届きにくくなります。 放置すると下部が枯れることがあるため、伸びすぎた部分は適度にトリミングしましょう。 カットした部分を活着させれば増やすこともできます。
レイアウト
流木や岩に活着させると、自然な景観を作りやすくなります。 日陰にも配置しやすく、稚魚やエビの隠れ家にも向いています。 小型種は前景、大きめに育つ種類は中景から後景に使えます。
ウィローモスは陰性水草の中では成長の早い部類です。できるだけ手間をかけたくない人には不向きです。1か月に1度のトリミングは想定してください。トリミングは好きな長さに切るだけです。切りすぎの心配はありません。切った部分から成長するので、増やすのも簡単。どんな水槽にも導入しやすい陰性水草です。
クリプトコリネ

クリプトコリネは品種が多く、前景から後景まで多彩に楽しめる陰性水草です。アクアリウム初心者からベテランまで、幅広く重宝されています。クリプトコリネの特徴を以下にまとめます。
クリプトコリネの特徴と管理ポイント
深緑から茶系まで色合いが豊富で、水槽に自然な奥行きと落ち着きを出しやすい陰性水草です。
見た目
グリーンから茶色まで色合いが豊富で、種類によって葉の大きさや形も変わります。 ウェンティーやバランサエは大きく育ちやすく、パルヴァは小型で前景にも使いやすい種類です。 ベケッティはツヤのある葉と多彩な色合いが魅力です。
育てやすさ
初心者でも育てやすい品種が多い水草です。 とくにベケッティは丈夫で、ルテアは葉が溶けにくい種類として扱いやすいです。 強い光やCO2添加がなくても育てられます。水温は20〜28℃ほどが目安です。
管理の手間
溶けた葉は水質悪化の原因になるため、見つけたら早めに取り除きます。 トリミングは、大きくなりすぎた葉や古い葉を間引く程度で十分です。 ランナーで増えるため、株分けで増やすこともできます。
レイアウト
活着する水草ではないため、ソイルや大磯砂などの底床に植えて育てます。 大型種は中景から後景、小型種は前景から中景に配置するとバランスが取りやすくなります。
クリプトコリネは自分の水槽にいれたあと、水に溶ける場合があります。これは新しい環境に適応するための性質です。後から新しい葉が成長するため心配ありません。最も育てやすいのは「クリプトコリネ・べケッティ」。「クリプトコリネ・バランサエ」は最大80cmまで成長するので、小型水槽には向きません。
ブセファランドラ

適切に育てれば花を咲かせる陰性水草のブセファランドラ。品種も多く、奥深い楽しみ方ができます。背丈が高くならないので、高低差のあるレイアウトへの配置にも好相性です。ブセファランドラの特徴を以下にまとめます。
ブセファランドラの特徴と管理ポイント
小型で上品な葉姿が魅力。水槽に落ち着いた高級感を出したい人に向いている陰性水草です。
見た目
品種によって葉の色や形に違いがあり、環境が合うと美しい発色を楽しめます。 CO2添加や液肥、やや明るい光があると、より色合いを引き出しやすくなります。 小型でまとまりやすく、上品な印象を作りやすい水草です。
育てやすさ
成長は遅めですが、安定した環境では丈夫に育てられます。 低光量でも育成できますが、適温は21〜26℃ほどで、やや冷たいきれいな水を好みます。 新しく立ち上げたばかりの水槽では葉が溶けることがあります。
管理の手間
成長がゆっくりなぶん、葉にゴミやコケがつきやすい水草です。 定期的な水換えと、葉についた汚れの除去を意識しましょう。 傷んだ葉は早めに取り除くと、新芽が出やすくなります。
レイアウト
石や流木に活着できるため、自由度の高いレイアウトが作れます。 ソイルに植える場合は、根茎を深く埋めないようにしましょう。 水流が強すぎる場所では黒ひげコケが出やすくなるため、配置場所には注意が必要です。
ブセファランドラは水槽導入時に、条件を満たしておく必要があります。しっかり水槽が立ち上がっている・水質が安定している・水流が小さいなどです。より美しく育てたい場合を除き、過度に気にする必要はありません。初心者におすすめの品種は「ブセファランドラ・クダガン」。
陰性水草のメリット・デメリット総まとめ

陰性水草のメリット・デメリットをまとめます。
陰性水草のメリットまとめ
陰性水草のメリットを以下の表にまとめます。
初心者でも扱いやすい理由
陰性水草は、強いライトやCO2添加に頼らず育てやすく、はじめての水草レイアウトにも取り入れやすい種類です。
育成環境を整えやすい
低光量でも育てやすく、CO2添加や肥料がなくても管理しやすい水草です。 熱帯魚用LEDなどの本格的な設備をそろえなくても始めやすいため、初心者にも向いています。
配置の自由度が高い
日陰になる場所にも置きやすく、流木や石に活着させれば自然な景観を作れます。 活着させた水草は手入れのときに取り出しやすく、隙間を埋める素材としても使いやすいです。
管理の負担が少ない
成長がゆっくりな種類が多いため、頻繁なトリミングは必要ありません。 ウィローモスのような細かい水草は、稚魚やエビの隠れ家としても役立ちます。
照明やCO2添加、肥料を使わなくても育つのは陰生植物だけの大きなメリットです。水質改善の効果もあります。とにかく手間をかけたくないなら陰性水草を選ぶべきです。
陰性水草のデメリットまとめ
陰性水草のデメリットを以下の表にまとめます。
失敗しやすいポイントと対策
陰性水草は育てやすい一方で、コケ・葉の溶け・植え方には注意が必要です。先に対策を知っておくと、初心者でも失敗を減らせます。
コケがつきやすい
陰性水草は成長がゆっくりなため、葉にゴミがたまりやすく、茶ゴケや糸状コケが発生することがあります。 コケが増えすぎると光が届きにくくなり、葉が傷む原因になります。
葉が溶けることがある
クリプトコリネやブセファランドラは、環境の変化に敏感です。 新しく立ち上げたばかりの水槽では水質が安定せず、葉が溶けやすくなることがあります。
光量と植え方に注意
強すぎる照明では変色や葉焼けが起こることがあります。 また、アヌビアスやミクロソリウムの根茎を底床に深く埋めると、腐る原因になります。
ポイント: デメリットはありますが、ほとんどは「光を強くしすぎない」「水槽が安定してから入れる」「根茎を埋めない」の3つで対策できます。
陰性水草にもデメリットはありますが、初心者でも以下の3つを守れば大きな失敗は防げます。
- 直射日光を避ける・ライトの時間を短くする
- 立ち上げ直後の水槽ではなく、落ち着いた水槽(2か月程度)に入れる
- 根元を砂に深く埋めない・可能なら石や流木に活着させる
最初から完璧に育てようとしなくても大丈夫です。アヌビアスやミクロソリウムのような丈夫な種類を選び、少しずつ水草に慣れていきましょう。
はじめての陰性水草レイアウトはシンプルと低コストを意識しよう

陰性水草による水槽レイアウトは、難しく考える必要はありません。まずはシンプル・低コストではじめましょう。はじめて作る水槽レイアウトの流れを、以下の項目にそって解説します。
- はじめての陰性水草は「アヌビアス」と「ミクロソリウム」がおすすめ
- 陰性水草の活着方法|活着させる素材は河原の石でOK
- 小さな生き物が隠れられる隙間を意識しよう
はじめての陰性水草は「アヌビアス」と「ミクロソリウム」がおすすめ
はじめて導入する陰性水草は「アヌビアス」と「ミクロソリウム」がおすすめです。どちらも丈夫で育てやすく、安価だからです。アヌビアスは背丈が低く、ミクロソリウムは背丈が高いので、レイアウト上でもマッチします。品種も見た目の好みで選んで問題ありません。いずれも育てやすいので、深く考えずに決められます。
実店舗のアクアリウム売り場だと、購入できる陰性水草の品種が限られます。店舗をまわることなく、幅広い品種の中から選べるネット購入が手軽でおすすめです。
陰性水草の活着方法|活着させる素材は河原の石でOK

陰性水草は石や流木に活着させて育てるのがおすすめです。底床にも活着しますが、根茎まで埋まると腐敗するリスクがあります。育てやすさや見た目の面からも、石や流木に活着させましょう。活着方法は糸で水草を石に巻きつけるだけです。1〜2か月ほどで活着します。



活着させる素材は河原に落ちている石で問題ありません。金属っぽい色の石、においのある石、表面がボロボロ崩れる石は避けてください。スネイルの卵が付着している場合もあります。1日程度天日干ししたり、ブラシでこすったりしてから使うと安心です。石のサイズは10cm前後が使い勝手に優れます。
心配な場合は市販の石で問題ありません。採取は必要な分だけに留め、環境保全に配慮しましょう。
小さな生き物が隠れられる隙間を意識しよう

アクアリウム初心者が見落としがちなのが「隠れ家の確保」です。小魚や小エビは、隠れ家があると安心します。隠れ家といっても、レイアウトに狭い隙間を作るだけなので簡単です。石を重なるように組み上げ、中に小さな生き物が入れるようにするのを意識してください。
4〜6個ほどの石を使うと十分な隠れ家の完成です。隠れ家があるだけで、小さな生き物がいじめられたり、強いストレスを受けたりするのを防げます。
陰性水草で手軽に自分のアクアリウムを楽しもう

陰性水草は、光が弱くても育ち、レイアウトが簡単で、手入れも少なくて済む便利な水草です。仕事が忙しく、手間をかけずに美しい水槽を作りたいひとに向いています。陰性水草選びに迷うなら「アヌビアス」と「ミクロソリウム」をおすすめします。陰性水草の中でも特に育てやすく、景観面にも優れるからです。
アクアリウムは手軽にはじめられる趣味です。大きな手間とコストは、アクアリウムの美しさには比例しません。シンプルな水槽にも特有の美しさがあります。この記事が、陰性水草を使った手軽な水槽づくりの参考になれば幸いです。管理が簡単な水槽やコケとり生体、アクアリウム関連用品のそろえ方については以下のリンクで紹介しています。




